わろてんか-中之島銀行と加納清一郎のモデル

NHKの朝ドラ「わろてんか」に登場する中之島銀行と加納清一郎のモデルの紹介です。

中之島銀行と加納清一郎

加納清一郎は中之島銀行の頭取で、長女・加納つばき(水上京香)と許嫁の結婚を勧めていたが、長女・加納つばき(水上京香)が北村隼也(成田凌)と結婚すると言って出でてしてしまう。

中之島銀行は北村笑店に融資していたので、加納清一郎は北村笑店に融資を止めると脅して圧力をかけ、長女・加納つばき(水上京香)を返すように求めた。

しかし、北村隼也(成田凌)は長女・加納つばき(水上京香)と駆け落ちしてしまったので、藤岡てん(葵わかな)は長男・北村隼也(成田凌)を勘当したのだった。

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中之島銀行と加納清一郎のモデル

朝ドラ「わろてんか」に登場する加納つばき(水上京香)のモデルが笠置シズ子なので、家系図から考えると、父・加納清一郎のモデルは笠置シズ子の父となります。

しかし、モデルと設定がかけ離れているので、中之島銀行や加納清一郎は朝ドラ「わろてんか」のオリジナルキャラクターだと考えられます。

笠置シズ子の実父は、香川県大川郡相生村(香川県東かがわ市)の三谷陳平です。母親は谷口鳴尾と言って、家事見習いで三谷家に同居していた女性です。

母・谷口鳴尾は父・三谷陳平の子供を妊娠したのですが、三谷家から結婚は許されず、実家に戻って未婚のまま笠置シズ子を産みました。

このころ、「亀井うめ」という女性が出産のために、大阪から里帰りしてきており、乳の出が悪かった母・谷口鳴尾は、「亀井うめ」に添い乳(もらい乳)を頼んでいました。

これが縁で、「亀井うめ」は大阪に帰るとき、笠置シズ子を引き取りました。そして、「亀井うめ」の夫は亀井音吉と言い、亀井音吉が笠置シズ子の養父となります。

亀井音吉は米・薪炭・酒などを売っていたのですが、その後、風呂屋に転業しており、銀行とは関係ありません。笠置シズ子に許嫁が居たというエピソードも聞いたことがありません。

こうした理由から、朝ドラ「わろてんか」に登場する中之島銀行と加納清一郎は、朝ドラ「わろてんか」のオリジナルキャラクターと考えられます。

しかし、家系図を無視して考えると、もう1つのモデルが浮上するので、そちらも紹介します。

中之島銀行のモデルは虎屋銀行(三和銀行)

上でも紹介したように、笠置シズ子の家系図から考察すると、中之島銀行のモデルは存在ないのだが、家系図を無視すれば、別の角度から考察を加えると、もう1つのモデルが浮上する。それが虎屋銀行(後の三和銀行)だ。

藤岡てん(葵わかな)のモデルである吉本興業の創業者・吉本せい(林せい)は、夫・吉本泰三の死後、市議会議員の辻阪信次郎と親密な関係にあった。通説では、吉本せいは辻阪信次郎の愛人だった言われている。

この辻阪信次郎は大阪・島之内の資産家で、虎屋信託の重役を務めており、吉本せいは虎屋信託に莫大な資産を預けていた。

そして、虎屋信託には関連会社として「虎屋銀行」があり、虎屋銀行も吉本興業と非常に親密な関係(メーンバンク以上の関係だと思われる)で、戦後の復興時に吉本興業が金を借りたのが、三和銀行(元・虎屋銀行)である。

さて、辻阪信次郎は吉本興業の顧問格だったと言われ、吉本興業の脱税にも手を貸していたのだが、逮捕された辻阪信次郎が獄中で自殺したため、吉本興業はほぼ無傷に終わった。

そして、辻阪信次郎の死後、吉本せいは自分の六女・吉本邦子(辻阪邦子)と辻阪信次郎の長男・辻阪昌一を結婚させ、辻阪昌一を吉本興業の重役に迎え入れている。

朝ドラ「わろてんか」では、北村隼也(成田凌)と加納つばき(水上京香)のモデルが、六女・吉本邦子と長男・辻阪昌一だと考えれば、中之島銀行のモデルは虎屋銀行(三和銀行)と考えることもできる。

ちなみに、この虎屋銀行は、大正11年に山口銀行と合併し、山口銀行は昭和8年に三和銀行と合併した。その後、三和銀行はUFJ銀行を経て現在の三菱東京UFJ銀行となっている。

なお、笠置シズ子の生涯については、「笠置シヅ子(亀井静子)の立志伝」で詳しく紹介しています。

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