わろてんか-新世紀キネマと工藤隆一郎(栗原英雄)の実在のモデル

朝ドラ「わろてんか」に登場する新世紀キネマの社長・工藤隆一郎(栗原英雄)の実在のモデルの紹介です。

新世紀キネマの工藤隆一郎(栗原英雄)

朝ドラ「わろてんか」に登場する新世紀キネマは、東京の映画会社で、以前、北村笑店から芸人を引き抜こうとした新世紀芸能の関連会社である。

工藤隆一郎(栗原英雄)は新世紀キネマの社長で、伊能フィルムの重役・山下と業務提携の話を進めていたが、社長の伊能栞(高橋一生)は乗り気では無く、決断を先送りしていた。

そのようななか、伊能栞(高橋一生)が撮影した映画「キースのあきれた恋道中」が検閲に引っかかり、数シーンのカットを求められた。

しかし、伊能栞(高橋一生)は問題のシーンをカットすれば、別の映画になってしまうと言い、信念を貫いて映画を上映中止としたため、「伊能フィルム」は大きな損害を出してしまうのである。

新世紀キネマの工藤隆一郎(栗原英雄)は、伊能フィルムの重役・山下に接触し、「このままでは国ににらまれる。早く手を打たないと伊能商会全体が危ない」と言い、伊能栞(高橋一生)の追放をそそのかした。

伊能フィルムは、伊能商会の映画部門で、伊能フィルムだけは役員会議を開かずに伊能栞(高橋一生)の独裁で運営されており、赤字を垂れ流すお荷物的な存在だった。

そこで、伊能フィルムの重役・山下は、新世紀キネマの工藤隆一郎(栗原英雄)からの助言を受け、伊能栞(高橋一生)の責任を糾弾し、他の重役と連携して伊能栞(高橋一生)を社長から解任したのである。

伊能栞(高橋一生)は、私財で損害を弁償して伊能フィルムの社長を辞任すると、藤岡てん(葵わかな)に招かれて北村笑店へ入り、北村笑店映画部門で映画を作ることになった。

こうして、新世紀キネマの工藤隆一郎(栗原英雄)は、伊能栞(高橋一生)がなくなぅた伊能フィルムと業務提携を実現させたのである。

その一方で、新世紀キネマの工藤隆一郎(栗原英雄)は、北村笑店に業務提携持ちかけていたが、藤岡てん(葵わかな)から業務提携を断れていたこともあり、伊能栞(高橋一生)に対する追撃の手を緩めなかった。

伊能栞(高橋一生)は、北村笑店で、喜劇に見せかけた恋愛映画「お笑い忠臣蔵」を制作することになり、台本も検閲に通ったのだが、新世紀キネマの工藤隆一郎(栗原英雄)が内務省に喜劇に見せかけた恋愛映画だと密告したため、映画「お笑い忠臣蔵」の台本は一転して検閲に引っかかってしまった。

そこで、伊能栞(高橋一生)は自分が居る限り検閲には通らないと考え、マーチン・ショウを頼ってアメリカに渡り、アメリカで映画の仕事に就いた。

そして、新世紀キネマは伊能フィルムと提携して国策映画を作ることになったという。

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新世紀キネマと工藤隆一郎(栗原英雄)の実在のモデル

朝ドラ「わろてんか」に登場する新世紀キネマのモデルは、松竹系の映画会社「新興キネマ」である。吉本興業に芸人引き抜きを仕掛けた「新興演芸部」は、「新興キネマ」の演芸部門である。

そして、新世紀キネマの社長・工藤隆一郎(栗原英雄)のモデルは、考えられる人物が2人いる。

1人目は、新興キネマの社長・白井信太郎である。白井信太郎は、松竹の創業した白井松次郎・大谷竹次郎の実弟(末弟)である。

2人目は新興キネマの撮影所長・永田雅一である。永田雅一は、日活から第一映画社を経て新興キネマに入り、新興キネマで汚れ役として活躍した。

東宝と松竹が引き抜き合戦を起こしたとき、松竹から東宝へ移籍した林長二郎(長谷川一夫)が、東宝移籍第1作目の映画「源九郎義経」の撮影中に暴漢に剃刀で襲われ、顔を傷つけられるという事件が起きた。この事件の黒幕が新興キネマの永田雅一だといわれている。

さらに、新興キネマの永田雅一は、演芸界に進出して演芸部門「新興演芸部」を設立するときに、大金を投じて吉本興業から「ミスワカナ・玉松一郎」「香島ラッキー・御園セブン」「平和ラッパ・日佐丸」「松葉家奴・松葉家喜久奴」「あきれたほういず(川田晴久を除く)」を引き抜き、吉本興業と対立した。

従って、工藤隆一郎(栗原英雄)は、新世紀キネマの社長なので、役職からモデルを推定すれば、新興キネマの社長・白井信太郎である。

ただ、史実のエピソードから考えると、工藤隆一郎(栗原英雄)のモデルは、新興キネマで汚れ役として活躍した永田雅一だと考えられる。

なお、朝ドラ「わろてんか」の登場人物のモデルについては「わろてんか-登場人物の実在モデル」をご覧ください。

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