浪花千栄子の立志伝-自殺未遂の理由

NHKの朝ドラ「おちょやん」のモデル浪花千栄子(なにわ・ちえこ)の生涯を描く立志伝の第5話「浪花千栄子が自殺未遂をした理由」です。

浪花千栄子の立志伝の目次は「おちょやん-浪花千栄子の立志伝の目次」をご覧ください。

浪花千栄子の自殺未遂

浪花千栄子が奉公していた「浪花料理」の向かいの店に、同い年の「お春さん」という女性が「おちょやん(仲居見習い)」として働いていた。

お春さんは16歳になると、元禄袖の着物を着せてもらい、髪型も大人用にしてもらったが、浪花千栄子は未だに筒袖で髪型も「おちょやん髷」だった。

浪花千栄子は春さんの事が羨ましく思い、「8年も働いているのだから、そろそろ自分も」と思っていたのだが、自分からは言い出せない。

そのうち、「浪花料理」の主人から言い出してくれるだろうと思って待っていたのだが、1ヶ月だっても、一向に主人からお声がかかる気配が無い。

浪花千栄子は悩んだあげく、主人に「春さんは、振り袖の着物にしてもらったので、自分も振り袖にして欲しい」と頼むと、主人は「何を抜かしてけつかんねん。おのれら身分相応じゃ。色気づきやがって」と吐き捨てた。

怒った浪花千栄子は、色気づいていない事を見せてやろうと思い、どうやったら色気づいていないと証明出来るか、夜中の2時まで考え、死んでみせることにした。

そこで、浪花千栄子は書き置きを残して便所に行き、帯を天井の梁にかけて、首を吊って死のうとしたとき、目の前を歩いているアリを見つけた。

そこで、このアリが、戸のサンの端まで行ったら死ぬ事に決め、アリが橋まで行くのを観ていると、着物の裾をグイグイと引っ張られた。

いったい何やろか。

浪花千栄子が、下を見ると、可愛がっている猫が着物の裾を加えて引っ張っていた。

すると、浪花千栄子は、自分が死んだら、この猫の面倒は誰が見るのだろうかと思い、自殺を思いとどまった。

そのようななか、浪花千栄子の奉公先を知らないはずの父・南口卯太郎が「浪花料理」に現われたのだった。

浪花千栄子の立志伝-給料を搾取する犯人」へ続く。

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