NHKの朝ドラ「おちょやん」の朝日奈灯子(あさひな・とうこ)が天海一平と不倫をするので、その実話とモデルを解説する。
「浪花さんとは子供さんも出来なかったし、女優さんでは十分な家庭生活を味わえなかったらしい。私は、この人(渋谷天外)にもっと良い仕事をしてもらいたいと思った。」
こう語るのは、朝日奈灯子のモデルとなった女優・九重京子(渋谷喜久栄)である。
九重京子は宝塚歌劇団で男役スタートして活躍していたが、戦後、宝塚歌劇団を辞めて、森光子らとともに歌謡ショーなど出演していた。
そのようななか、喜劇の帝王・曾我廼家五郎が死去したので、松竹は「五郎劇」「松竹家庭劇」「すいーと・ほーむ」を合併し、昭和23年(1948年)12月に「松竹新喜劇」を旗揚げした。
そこで、松竹の白井松次郎は、「松竹新喜劇」の女優を補強するため、宝塚歌劇団出身の九重京子を「松竹新喜劇」へ加入させた。
こうして、九重京子は「松竹新喜劇」の旗揚げに参加して2代目・渋谷天外と出会い、旗揚げから1年後に2代目・渋谷天外と不倫を開始する。
九重京子によると、松竹新喜劇の入団から1年ほどしたとき、2代目・渋谷天外から「今の僕は仕事をしたい。本を書きたい。そして家庭というやすらぎの場を持ちたい。今の女房は、とても僕には荷重なんや」と言われたという。
そして、九重京子は「浪花さんとは子供さんも出来なかったし、女優さんでは十分な家庭生活を味わえなかったらしい。私は、この人(渋谷天外)にもっと良い仕事をしてもらいたいと思った」という経緯で、2人は不倫に発展したのである。
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2代目・渋谷天外と九重京子が不倫をしているという噂は直ぐに広まった。
しかし、天外の妻・浪花千栄子は、九重京子を娘のように可愛がっていたので、不倫の噂を聞いても信じなかった。
ところが、浪花千栄子は2代目・渋谷天外と九重京子の不倫現場を目撃してしまうのだった。
最終的に愛人の九重京子が妊娠したので、2代目・渋谷天外は「44歳にして、はじめて我が子を抱いた夫君は、一座の責任者である立場など前後不覚の忘却ぶりで、スキャンダルくそ喰らえと愛人のもとに飛び込んで行ったのである」という心境で、浪花千栄子との離婚を選んで、九重京子と結婚する事に決めたのである。
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