まんぷく-織田島製作所と万能料理器のモデルはカシオ

NHKの朝ドラ「まんぷく」に登場する織田島製作所と万能料理器のモデルを紹介します。

織田島製作所のあらすじ

NHKの朝ドラ「織田島製作所(小田島製作所)」は、父・織田島健三が経営する刃物の町工場で、社員は息子の織田島正と、その妻・織田島久美子が経理を務める小さな町工場だった。

家電会社に勤めていた息子・織田島正が戻ってきて、織田島製作所の刃物の技術を使って新しい物を作るのだと言い、ジューサーにもミキサーにもなる「万能料理器」を開発しようとしていた。

そこで、織田島製作所は、知り合いの鹿野敏子(松井玲奈)を通じて、池田信用組合の理事長をしていた立花萬平(長谷川博己)に融資を依頼し、池田信用組合から1000万円の融資を得て、「万能料理器」の開発を開始する。

すると、立花萬平(長谷川博己)は、織田島製作所に触発されて、根菜切断機を開発していた頃の自分を思い出し、池田信用組合の仕事が終わると、織田島製作所へ行って、「万能料理器」の開発を手伝い始めた。

やがて、織田島製作所と立花萬平(長谷川博己)は苦心の末、「万能料理器」の開発に成功するが、景気の悪化から、母店の梅田銀行が池田信用組合への融資を引き上げると言い出したため、池田信用組合は取り付け騒ぎを起こして倒産の機器を迎えた。

このため、立花萬平(長谷川博己)が池田信用組合の理事長を辞任して、梅田銀行から新しい理事長を迎え入れたので、池田信用組合は存続し、織田島製作所への融資も継続され、織田島製作所は「万能料理器」の生産を開始するのだった。

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織田島製作所のモデルは樫尾製作所(カシオ)

NHKの朝ドラ「まんぷく」に登場する織田島製作所のモデルは、樫尾製作所(カシオ計算機)だと考えられます。

当サイト以外で、樫尾製作所(カシオ計算機)がモデルだと紹介している人が居ないので、少し不安なのですが、間違いないと思います。

樫尾製作所(カシオ計算機)は、樫尾家の長男・樫尾忠雄が終戦の翌年の昭和21年(1946年)に東京都三鷹市で、顕微鏡の部品を作る下請け工場「樫尾製作所」として設立した。

しかし、戦後は食うに困る時代だったので、長男・樫尾忠雄は工場の経営に苦労した。

そこで、電電公社に務めていた次男・樫尾俊雄が、長男・樫尾忠雄を助けるため、電電公社を辞めて「樫尾製作所」に入った。やがて、三男・樫尾和雄と四男・樫尾幸雄も「樫尾製作所」に入り、長男・樫尾忠雄を助けた。

しかし、下請けのままでは苦労するだけで先が見えている。そこで、「樫尾製作所」は自社製品を製造することにして、様々な商品を研究するが、大手企業に勝てるような物はできず、生産するまでに至らなかった。

このため、樫尾4兄弟は画期的な商品を作らなければならないと考え、試行錯誤の結果、電動式計算機を開発することにした。

このころ、戦後の復興に伴って計算機の需要は増えていたが、この頃の計算機は戦前からある国産の手動式計算機が主流で、電動式計算機は輸入に頼っていた。

そこで、「樫尾製作所」は電動式計算機の国産化を目指したのである。

電電公社の技術屋だった次男・樫尾俊雄が開発に当たり、長男・樫尾忠雄が資金繰りに奔走して、ようやく金を借りることができ、「樫尾製作所」は昭和26年(1951年)に電動式計算機の開発に着手した。

そしで、「樫尾製作所」が昭和32年(1957年)に、世界初の小型電気リレー式計算機「14-A型」の開発に成功すると、樫尾4兄弟は「カシオ計算機」を設立して、樫尾4兄弟の父・樫尾茂が社長に就任したのだった。

さて、朝ドラ「まんぷく」の織田島製作所は「万能料理器」を生産開始するまでしか描かれていないので、「万能調理器」が売れたのか、不明なのだが、実話はどうだったのか紹介したい。

「カシオ計算機(樫尾製作所)」が昭和32年(1957年)に発売した電気リレー式計算機「14-A型」は、高額だったたが、少しずつ売れていき経営は順調だった。

しかし、昭和39年(1964年)にシャープが電卓「CS-10A」を開発したことにより、計算機は電卓時代を迎えた。

カシオ計算機は、高性能な電気リレー式計算機を開発していたが、シャープが電卓を開発したため、電卓への移行を余儀なくされ、1年遅れて昭和40年(1965年)に電卓「001型」を開発し、電卓戦争へと発展することになる。

なお、日清食品の創業者・安藤百福(呉百福)は、大阪で華僑系の信用組合「大阪華銀」の理事長をしていたので、東京の樫尾製作所(カシオ計算機)とは関係いが、理事長の傍らで自らの工場を持っており、ある物を開発していたという話が残っている。

しかし、安藤百福(呉百福)は、大阪華銀の資金を大豆相場に投資して失敗し、昭和32年(1957年)に取り付け騒ぎを起こして大阪華銀を倒産させたので、工場も差し押さえられ、全財産を失うのだった。

なお、朝ドラ「まんぷく」の各モデルは「まんぷく-実在のモデル一覧」をご覧ください。

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