朝ドラ「おちょやん」竹井テルヲ(トータス松本)のモデル

NHKの朝ドラ「おちょやん」に登場する竹井テルヲ(たけい・てるを)のモデルの解説です。

竹井テルヲ(トータス松本)のモデル

朝ドラ「おちょやん」に登場する竹井テルヲ(トータス松本)のモデルは、浪花千栄子の父・南口卯太郎である。

南口卯太郎の家系は、南北朝時代から続く武士の家系で、明治維新の時に帰農し、大阪府南河内郡東板持村へ移り住んできたという。

南口卯太郎は、養鶏業を営み、鶏の行商で生計を立てていた。南口卵太郎は鶏を育てる名人で、コンクールで賞を取ったこともあるが、わずかの農地も持たず、貧しい生活をしていた。

南口卯太郎は、東板持村で代々庄屋を務める家系の娘・南口キクと恋愛結婚し、浪花千栄子と男児を儲けたが、妻・南口キクは浪花千栄子が4歳の時に死んだ。

南口卯太郎は鶏の行商に出ると、子供の面倒を見る大人が居ないので、浪花千栄子を学校へ行かせず、浪花千栄子に下の子の面倒を見させ、家事や内職をさせた。

南口卯太郎は、羽左衛門に似た美男子で、女には事を欠かなかったが、身持ちが悪く、女の尻ばかりを追いかけており、浪花千栄子がそのしわ寄せを一手に受けていたという。

その後、南口卯太郎は、再婚したので、浪花千栄子はようやく小学校へ通えるようになるのだが、南口卯太郎が2銭の月謝を払わないため、浪花千栄子は2ヶ月で学校を辞めた。

しかも、再婚相手が何度も家出をして、家出をする度に南口卯太郎は再婚相手を追いかけて行き、1ヶ月も戻らないので、家に残された浪花千栄子は食事にも困る有様だった。

そのうえ、再婚相手が連れ子を連れて戻ってきたので、南口卯太郎は浪花千栄子を義母(前妻・南口キクの母)の家に預けたのである。

その後、浪花千栄子は口減らしのために道頓堀の仕出し料理屋「浪花料理」に女中奉公に出るのだが、義母は浪花千栄子の事を不憫にお思い、南口卯太郎に奉公先を教えなかった。

しかし、8年ほどして、浪花千栄子の奉公先を知った南口卯太郎は、「浪花料理」に現われて、浪花千栄子からお金を借りようとした。

しかし、浪花千栄子は、給料は要らないので、着る物と食事の面倒を見てもらうという条件で女中奉公をしていたため、1銭の給料も貰っていなかった。

怒った南口卯太郎は、「浪花料理」の主人に強談判に及び、12円の退職金を得ると、ほくほく顔で、浪花千栄子を連れて帰り、今度は富田林の造り酒屋に奉公へ出した。

ところが、南口卯太郎が給料の前借りをしようとしたことが原因で、浪花千栄子はクビになっていまう。

これで学んだ南口卯太郎は、2年間の給料先払いという契約で、浪花千栄子を木材屋へ奉公に出した。

浪花千栄子は給料を貰えないので、主人の方で貯金してくれており、結婚する時にくれるのかと思っていたのだが、2年1ヶ月後に木材屋の女将さんから「お父さんが給料を取りに来ない。今後、先払いにするのか、月払いにするのか分からないけど、1ヶ月働いてくれたのだから、1ヶ月分の給料を渡しておきます」と言い、1ヶ月分の給料をくれた。

これにより、浪花千栄子は、父親に搾取されていたことを知り、ここに居たら父親に搾取され続けると思い、奉公先を飛び出して、京都へと逃げたのだった。

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